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Hua, Y.*; 鳴海 一成; Gao, G.*; Tian, B.*; 佐藤 勝也; 北山 滋; Shen, B.*
Biochemical and Biophysical Research Communications, 306(2), p.354 - 360, 2003/06
被引用回数:152 パーセンタイル:95.76(Biochemistry & Molecular Biology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線高感受性変異株の解析から、DNAの修復と損傷防御機構を担う主要スイッチタンパク質PprIを同定した。放射線高感受性変異株では、この遺伝子がトランスポゾンの挿入によって機能を失っていた。この遺伝子を完全に破壊すると放射線感受性が増大し、野生型遺伝子を導入すると放射線耐性が復帰した。放射線照射に伴い、PprIは遺伝子及び遺伝子の発現を誘導するとともに、カタラーゼ活性をも助長した。これらの結果は、PprIタンパク質が、放射線応答におけるDNAの修復と防御の調節機構に重要な役割を果たしていることを強く示唆している。
横谷 明徳; Cunniffe, S. M. T.*; O'Neill, P.*
Journal of the American Chemical Society, 124(30), p.8859 - 8866, 2002/07
被引用回数:87 パーセンタイル:87.69(Chemistry, Multidisciplinary)線照射されたプラスミドDNAフィルム中のDNA鎖切断(SSb及びDSB)と塩基損傷の収率を、DNA単位長あたりの水和水量の関数として測定した。塩基損傷は、大腸菌由来の塩基除去修復酵素(NthとFpg)を作用させ、glycosyl活性及びAPlyace活性により生じるSSbとして検出した。水和水の制御は、相対湿度をコントロールしたチェンバー中に15時間,5に保持することで行った。得られたDNAのコンフォメーションは、アガロースゲル電気泳動により解析した。その結果、(1)鎖切断よりもむしろ塩基損傷の収率の方が、水和水の量に依存して増加すること。(2)OHラジカルは生成したとしても鎖切断には寄与しないこと(3)extraなDSBが水和水量とともに増加することから、クラスター化した損傷が、直接効果として生じることが、明らかにされた。
石田 恒
Journal of Biomolecular Structure and Dynamics, 19(5), p.839 - 851, 2002/05
被引用回数:11 パーセンタイル:26.27(Biochemistry & Molecular Biology)DNAのグアニン酸化損傷の影響を調べるために、正常なDNAであるd(CGCGAATTCGCG)とその酸化的損傷DNAであるd(CGCGAATTCGCG)(CGCGAATTCGCG),(G:7,8-dihydro-8-oxoguanine(8-oxoG)の分子動力学シミュレーションを1ナノ秒間、実行した。これは静電相互作用を効率的かつ高精度に計算する高速多重極子展開法(FMM)を用いた高精度シミュレーションである。シミュレーションの結果、8-oxoG付近で正常DNAには見られない新しい水素結合が生成されるのが見つかり、そしてこれが損傷DNAの構造を安定化させていることがわかった。また主鎖角がB構造,グリコシド結合角がhigh-構造,ヘリカルTwistが緩んだ構造をとることもわかった。更に、主成分解析により8-oxoG付近の水和状態の変化が損傷DNAの構造遷移のきっかけとして働いていることが示唆された。以上により、損傷DNA修復酵素は正常DNAと損傷DNAの静的構造及び動的構造の違いを認識していると考えられる。
鳴海 一成; 佐藤 勝也; 菊地 正博
JAERI-Conf 2002-005, p.158 - 171, 2002/03
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線感受性変異株を解析し、放射線耐性に重要な新規タンパク質(PprA)を発見した。PprAはDNA鎖切断を認識して結合し、ヌクレオチド分解酵素からDNA切断末端を保護し、効率的な修復をもたらす。またPprAは、DNAリガーゼによるDNA 鎖結合反応とRecAタンパク質を介するDNA組み換え修復反応を促進する活性を有する。このような性質により、PprAの広範囲での応用が期待される。
佐藤 勝也; 菊地 正博; 鳴海 一成
JAERI-Conf 2002-005, p.172 - 184, 2002/03
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスは、DNA損傷応答機構を有しているが、その分子機構についてはほとんどわかっていなかった。デイノコッカス・ラジオデュランスのタンパク質の機能解析を通じて、我々は、デイノコッカス・ラジオデュランスでは、大腸菌とは異なり、SOS修復応答制御タンパク質LexAが組換え修復酵素RecAの発現誘導制御に関与していないことを明らかにし、さらに、遺伝子の発現を制御する新規制御因子PprIを発見した。PprIは、新規修復促進タンパク質PprAの放射線照射による誘導にも関与していた。このように、デイノコッカス・ラジオデュランスはDNA損傷認識と修復遺伝子誘導について独特のメカニズムを持っていることがわかった。
鳴海 一成; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 舟山 知夫; 柳沢 忠*; 小林 泰彦; 渡辺 宏; 山本 和生
Journal of Bacteriology, 183(23), p.6951 - 6956, 2001/12
被引用回数:91 パーセンタイル:83.71(Microbiology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスにおけるLexA蛋白質のRecA誘導への関与について研究を行った。野生株と同様に、遺伝子破壊株においても線照射後にRecA蛋白質合成の増加が認められたことから、デイノコッカス・ラジオデュランスではLexAがRecAの誘導に関与していないことが示された。
Pinak, M.
Radiation Risk Assessment Workshop Proceedings, p.30 - 39, 2001/00
放射線による損傷DNAの分子動力学(MD)による研究について、修復酵素による損傷の適切な認識という観点から発表を行う。ピリミジン塩基損傷(シトシンラジカル,チミンダイマー: TD,チミングリコール: TG)とプリン損傷(8-オキソグアニン: 8-OH-G)について数百ピコ秒間のMDシミュレーションを行った。その結果、いずれの場合にも、以下に示すような明確なDNA二重らせん構造の変化が観測された。(1)塩基対間の水素結合が崩壊し、二重らせんが開く(シトシンラジカル、8-OH-G),(2)損傷部分でDNAが折れ曲がる(TD、TG),(3)損傷部分と相補的な鎖からアデニンがらせんの外側にはじき出される(8-OH-G)。これらの構造の変化に加えて、損傷部位に特異的な静電エネルギーの変化が求められた。